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HOME積雪寒冷地の設計作法 > 第1章 北海道の冬をデザインする

“北海道は冬期が肝心”といわれるほど冬は侮れません。
その北海道の冬は、地域によって気温や降雪・積雪量など大きく様相が異なります。大きく6つの地域に分けて、特徴をご紹介します。

区分 地域 特徴
@道南 渡島半島南 冬期は日本海を北上する対馬海流(暖流)の影響で、道内他地域に比べて気温が高く降雪・積雪は少ない。
A太平洋沿岸西部 日高・胆振 冬期の気候は道南と同様で、駒ケ岳を擁する内浦湾(噴火湾)沿岸は年間を通じて穏やかな気候である。
B日本海沿岸 檜山地域から宗谷地域までの日本海沿岸 冬期は大陸からの北西季節風が強く、道内他地域に比べて降雪量が多い。夏期は晴れ間が多く海水温が高い。
C太平洋沿岸東部 根室から十勝に至る太平洋沿岸 冬期は大陸からの季節風が石狩山地(大雪山系)や日高山脈の西に大雪を降らせたあと乾燥した寒風となって吹き込むため、晴天が続き日本有数の日照時間を誇る反面、雪は少なく凍てつく、夏期は太平洋の湿気を含んだ南東の季節風が、南下した千島海流(寒流)で冷やされて海霧を発生させるので晴れ間が少なく気温・海水温は低い。内陸に近い帯広は海霧の影響がなく晴天が続く。
Dオホーツク沿岸 宗谷から根室に至るオホーツク海沿岸 西に北見山地と大雪山系、南に知床連峰や雄・雌阿寒岳の壁があり、年間を通じて乾燥した季節風が吹き込むため、道内他地域に比べて降水量・降雪量は少ない。北見市は年間日照時間が1744時間で全国の平均に近い。沿岸部は1月から3月にかけて流氷が接岸し厳しい寒さが続く。
E内陸 天塩、北見、石狩、夕張山地や日高山脈等に囲まれた盆地 冬期は、放射冷却現象により著しく気温が下がり−30℃以下になることがある。道内他地域に比べて雪はやや多めだが風は穏やかである。夏期はフェーン現象により本州並みに気温が上がることがある。
地域分類
各地の年間降雪量および年間最大積雪量(気象庁統計情報)

エコスクールの提案

寒暖差の激しい中標津町の厳しい自然環境を克服するためのさまざまな取り組み

中標津中学校外観
1. 敷地内の既存樹木を極力残す配置計画
2. 表面積の小さいシンプルな建築形体
3. 熱負荷を低減し躯体を保護する外断熱の採用
4. 木・アルミ複合サッシによる高気密高断熱サッシの採用
5. 躯体を利用した自然換気ルートの設置
6. 安定的な温度環境をつくるパネルヒーター、床暖房による放射暖房の採用
7. 自然採光を有効活用するライトシェルフの採用
8. 旧校舎の建築廃材の再利用
中標津中学校概要

ダブルスキンによる自然換気と熱や光の利用

環境との積極的なコラボレーションから生まれた建築デザイン

北見信用金庫本店
北見信用金庫本店

○中間期の自然換気
中間期には涼温の外気を室内に取り入れる自然換気方式を採用しています。自動制御装置により外気条件が自然換気に適することを検知すると、カーテンウォール下部の吸気口と頂部の排気口を同時に開放し、ダブルスキン内に煙突効果による上昇気流を発生させます。同時に各階コア側共用部に設置された窓が連動して開放され、新鮮空気を執務室内に流入させます。

○冬期の熱利用と結露防止
外気温が低い冬期においても、南と西に向いたダブルスキン内は日射による取得熱量が期待できます。日射で温まった空気は空調機に取り込んで執務室の暖房熱源として利用します。外気温の下がる夜間にはカーテンウォールの給気口を閉じて気密性を保ち断熱性能を保持します。

○夏期の熱の制御
夏期にダブルスキン内部の空気層が日射により過度に温度が上昇するのを避けるため、自動制御によりカーテンウォール下部の給気口と頂部の排気口を開放して煙突効果による上昇気流を発生させて換気します。

○自然光の有効利用
カーテンウォールの乳白色ガラスからの拡散光を執務室内の明かりとして有効に利用します。室内の照明器具は自動調光装置によって適切な照度を保つよう制御し、エネルギーの節約を図っています。

北見信用金庫ダブルスキン
(左上)中間期の自然換気  (右上)冬期のダブルスキンによる断熱
(左下)夏期のダブルスキンによる換気  (右下)自然採光のシミュレーション(夏至)